8/2~8/4、6名の部員プラスゲスト1名で、南八ヶ岳に行ってきました。初日、桜平(1900m)から夏沢峠(2440m)を目指しました。夏沢峠からは北へ箕冠山(みかぶりやま)・根石岳(2603m)・天狗岳(2640m)と縦走し、本沢温泉(2110m)で一泊。2日目は南八の核心部、硫黄岳(2760m)・横岳(2829m)・赤岳(2899m)を縦走し、赤岳鉱泉(2220m)で一泊。3日目は中山展望台から前日の縦走路を眺め、美濃戸口まで下山し(1490m)帰路につきました。登っては降り登っては降りの連続、山部としては本格的な山旅となりました。
八ヶ岳は変化に富んだ魅力あふれる連峰です。岩峰の連なりを美しい森が包みます。森は美しい苔がびっしりと絨緞のように敷き詰められた中、シラビソ、ダケカンバなどがうっそうとしかし静かにたたずむ、八ヶ岳特有の森です。私は随所で桂(かつら)を思わせるほのかな甘い香りを味わいました。心が和むすばらしい森でした。
核心部の縦走路は、鎖場が連続する岩峰地帯をスリリングなルートをたどりました。そのスリリングさにわくわくする部員もいれば、足がすくむ部員もいました。縦走の間、うっすら雨模様で周囲の景観を見ることができませんでしたが、かえって高度感を感じずに済んで(知らぬが花?!)よかったかもしれません。赤岳山頂にたどり着いたときには、この上ない達成感をものにすることができました。その赤岳の下り、直滑降を思わせる鎖場のルートも、スキップを踏むような気分であっという間に通過していました。
きついルートでしたが、高山植物が目を楽しませてくれました。森の中ではユーモラスなホタルブクロの赤紫が目につきました。高所ではチシマギキョウのすがすがしい紫、可憐なコマクサの薄いピンクが鎖場の緊張感を和ませてくれました。コマクサは大変な数が咲き乱れ、地元の方々の保護へのご苦労がしのばれました。本沢温泉への沢沿いの土手では、銀竜草のめずらしいほどの群落と出会いました。
初日、オーレン小屋でランチをとろうとしたときにはカモシカがお出迎え。3日目、美濃戸口への下山時には、黒地に白い縁取りの羽根を持つキベリタテハ蝶(初めて見ました)が見送ってくれました。
山小屋デビューの部員もいるため、2泊とも、風呂付き、食事も評判の宿を予定しました。本沢温泉は2種の源泉があります。内湯はカーキ色、野天風呂は白濁。どちらも気分最高の温泉でした。加えて野天は、渓流沿に木を組んで湯船にした開放感抜群の湯で、硫黄岳の荒々しい火口壁を眺めらの入浴になります。これに入るだけでもここに来る価値はある。また行きたい。赤岳鉱泉では夕食にステーキが出ました。大いに食べ、飲みました。 天気にはけっして恵まれたとはいえませんが、すばらしい自然とふれあい、わくわくする変化に富んだ山歩きを堪能することができました。温泉もよかった、飯もよかった、仲間はもっとよかった!充実した夏合宿でした。
弁護士佐藤誠一