リオオリンピックで熱い感動

リオオリンピックが閉幕しました。17日間の世界のトップアスリートの熱い闘いに感動の時間を過ごさせてもらいました。オリンピックが始まる前までは、2020年の東京オリンピック招致に関する様々な問題(国立競技場の問題やら、予算の問題やら。)に、「東京オリンピックなんていっそのこと返上したら。」「リオオリンピックなんか興味ないや。」などというネガティブな気持ちがむくむくとわき上がっていましたが、いざオリンピックが開幕すると、どんな競技でもスポーツそれ自体が持つ本質的なおもしろさ、想像を絶する鍛錬とそれを遂行する人間の精神力、人間の可能性の限界に挑むアスリートたちの姿にすっかり心を掴まれてしまいました。
そうした中でも、私が注目したのは男子卓球です。何を隠そう、私は中学生時代、卓球部に所属していました。運動神経も鈍く、市内の中学校の大会では1回戦負けを続けるさえない選手でした。それに、中学校を卒業後は全く卓球から離れてしまったので、今は素人同然ではあります。このため、中学生時代の競技感覚に照らして見るしかないのですが、それでも世界水準の選手の実力は想像を絶するほどです。特にラリーの連続、前陣からの速攻、これに瞬時に対応する運動神経、後陣から高速ドライブを狭い卓球台の、しかも相手方のサイドに返球するラケット裁き、空間把握能力は、「すごい」、「人間離れしている」の一言です。日本男子卓球代表の水谷隼選手は、卓球の「ネクラ」「ダサイ」というイメージを変えて、卓球をメインストリームのスポーツにしたい、という希望を語っていましたが、彼自身の今回の活躍(男子単で銅メダル、団体で銀メダル)は、少年少女には卓球をやってみたい、大人にはもっと卓球を観戦したい、応援したい、という気持ちを起こさせたのではないでしょうか。
ということで、東京オリンピックですが、「マリオ」に扮して人気取りをしようなどと考える政治家の宣伝の舞台ではなく、アスリートファースト、そして、一都民として気持ちよく応援できるオリンピックになるよう4年後を期待していきたいと思います。
弁護士 堀 浩介