Q.兄が母の成年後見を申し立て、自分が後見人になろうとしています。浪費家の兄に任せることはできません。私が後見人になることはできますか。兄が後見人に選任されてしまった後では何かできることはありますか。

A.

 成年後見人には、家庭裁判所が諸々の事情を考慮して、ご本人であるお母様の後見事務を行う者として適任と判断した人が選ばれます(成年後見人候補者として申立書に記載された人が必ずしも選任されるわけではありません。)。
 かりに、お兄さんが後見人に選任された場合には、解任の請求をするということはありますが、後述するように、解任を行うにはそれなりの要件を満たす必要があります。解任要件が満たされない場合でも、お兄さんの後見事務に不安がある場合、成年後見監督人の選任申立をするという方法もあります。成年後見監督人とは、成年後見人等が行う後見事務を監督し、成年後見人等が不正な行為や権限の濫用をしないよう監督する役割もあります。この場合、成年後見監督人には、成年後見人等の配偶者、直系血族、兄弟姉妹はなることができませんので、お兄さんが成年後見人の場合、あなたは成年後見監督人にはなれません。もっとも、信頼できる専門家を候補者として成年後見監督人の選任申立をするということは検討してもよいかと思います。もっとも、この場合も、選任するか否かを含め、最終的には家庭裁判所が判断することとなります。