Q.息子が、鑑別所に送致されてしまいました。この後、どうなるのでしょうか。

A.

 裁判所は、検察官から少年が送致されてきた後、審判手続を行うかを決定しますが、直ぐには決められないので、一旦少年について調査・診断するため、勾留とは異なる身体拘束を受ける手続として、観護措置をとることがあります。
 観護措置は、家庭裁判所に送致等された少年が、少年鑑別所にて原則2週間(更新によりさらに2週間。最長8週間)観護を受ける措置です。
 この間、少年はIQテストを受けたり体育をしたりして過ごし、家庭裁判所の調査官や少年鑑別所の技官により、少年が非行を犯した背景について専門的な診断・調査が行われます。この診断・調査に時間がかかるため、観護措置は1ヶ月程とられることが多いのですが、弁護士の付添人が観護措置取消決定申立を行い、裁判官の職権発動を促し、途中で観護措置を終了してもうらこともあります。
 その後、審判不開始決定をのぞいて、家庭裁判所裁判官により少年審判を開始する決定がされ(成年でいうところの刑事裁判手続です。成年事件での検察官の起訴に代わるものが審判開始決定といえるかもしれません。)、成年事件での有罪判決に代わるものが保護処分ということになります(もちろん、無罪の場合には不処分です)。