なんぶ2001年夏号 東京南部法律事務所ニュース
        2001年夏号


ハンセン病訴訟 勝訴 そして 控訴断念へ
ヒデとえいこのこりゃな〜んだ?どうなる、司法
リストラをリストラ−企業の横暴を許さない
花開かせよう!憲法九条
役に立つ法律知識−個人債務者再生手続
コラム&新人紹介
大田ところどころ<梅屋敷>

 今年は、山雪が多く、雪の多い年は豊年だと言われてきましたが、農村の若い者は、米作りから離れていきます。
 若い者といえば、中学の教科書に異変が生まれてきました。「新しい歴史教科書をつくる会」により扶桑社から発行された歴史と公民の教科書です。この教科書では、戦後長く国民の間に確認され実践されてきた平和と民主主義が否定されようとしています。
 執筆者は、戦後派が押しつけてきたいくつもの大きい誤りと迷いから我が国の将来を解放する方法として執筆したと語っています。いくつかを拾ってみましょう。満州国は、王道楽土として日本の進出により経済成長を遂げた。朝鮮では、鉄道・灌漑の施設を整えたなどとし、武力による侵略の反省はない。太平洋戦争を「大東亜戦争」と表題し、特攻機出撃に女学生が花束を振って見送る写真が掲げられています。そのページは戦時中の出版かと見まごうばかりです。
 作家中野孝次さんは、「僕らの世代は、戦争の時代に異様に凝縮した時間を生きた。生死は紙一重でした。だから特攻隊員の遺書や動員学徒兵の手記もつらくて読めません」と、赤旗紙上で語っています。同感です。戦争放棄の憲法九条は、人類の悲願です。
                                      向  武 男


撮影 清見 栄